エコー

 現在のクラブに所属するようになってからエコーというものが身近になりました。エコーは超音波画像診断装置の事で、産婦人科で胎児を観察する時や心臓を体表から検査するときに使う機械というと何となく想像できるでしょうか。現在整形外科領域では単純エックス線写真、CT、MRIが広く普及しており、それぞれの利点、欠点を考慮した使い分けがなされています。現在整形外科でエコー検査を受ける機会は少ないと思いますが、機械の著しい発達により今後エコー検査が台頭してくる日も来るのではないかと感じています。

 エコーでは骨、軟骨、筋、腱、靭帯、末梢神経の異常などを直接評価できる特徴があり、その動態をリアルタイムに観察することができます。血流評価(ドップラー画像)や硬さ評価(エラストグラフィー)ができ、MRIの撮影を待たずに患部の評価も可能になります。現在の制度では機械を操作する資格の制限がありませんので、私達トレーナーのようなコメディカルが機械を扱う事もできるため、スポーツの現場では有用性は高いと感じます。診断権は医師にしかありませんので混同しないよう注意が必要です。

 画像診断が補助診断である事は変わりませんので、いずれにせよ問診や徒手検査などの基本的な手技が大切なことは不変です。そういった基本手技を確実にマスターした上でエコーでの評価も要素として加えることができれば、トレーナーの仕事の精度も上がっていくような気がします。私もこのような機械に触れるようになってまだ数ヶ月ですので、継続的に勉強していきたいと思っています。

 余談ですが、動態をタイムリーに評価できるという事は、治療前と治療後での組織の硬さの変化も比較できるという事なので、我々セラピストにとっては自分の治療効果を画像で評価されるのでプレッシャーになる機械でもあります…。治療の最終目的は疼痛の軽減であり、硬い=痛いという事ではありませんので我々の治療全てが客観的に評価されるものではありませんが、自分のアプローチを確認する機会として参考にはしていこうと思います。

 ドクターズフィットネスの会員の皆様は私が治療の話をしているのが不自然に聞こえるかもしれません。トレーナーの仕事は非常に幅が広く、一応私も鍼灸マッサージ師なのでスポーツの現場ではトレーニング以外に治療もやっているんです…(笑)。