players first
もう昔(?)の話になりますが、トレーナーを目指して勉強中の学生だった頃の事です。テキストに『トレーナーは黒子』という記載があり、それを疑問に思ったことがありました。今考えると非常に浅はかで、トレーナーを志す身として大事なことを理解していなかったと思います。
スポーツに携わる者にとって『players first』は非常に大切な概念です。スポーツを実際に行なうのは選手であり、指導者ではない。我々指導者は選手がいてはじめて成立する職業であり、選手がいなければ試合も成立しない。自分達が持っている知識や技術は選手に最良の選択肢を提供するためにある。そして勘違いしてはいけないのは、選手の希望を全て受け入れるという訳ではないという事である。トレーニング計画の中で今はどんな時期なのか、今選手を肉体的に追い込むことが選手にとっての最大の利益となりうるのか、それとも負荷をかけないことが最大の利益となるのか。それを的確に判断していく必要があります。
自分達の職業が一職種として認知されるようになるのはとても望ましいことだと思いますが、広く浸透していくとメディアにも取り上げられやすくなり、若かりし日の自分のように勘違いしてしまう人も出てくるかもしれません。実際には養成カリキュラムの中でこのような『players first』や以前のブログにも書いたスポーツの歴史・倫理など、大事なベースの部分を重要視していないのが問題だと思います。学校は学問を教えるところなので、試験の合否を大きく左右する部分に力をそそがなければいけません。ベースとなる思想の部分は試験の合否を大きく左右する部分ではないので学校教育の中ではおろそかになりがちですが、実際に仕事をしていく中では非常に大切な部分だと思います。日本体育協会公認アスレティックトレーナー養成カリキュラムもやっと変更になり、スポーツの現場での実習が義務付けられることになります。自分達が預かった学生に対しては学校では学べないことをしっかり教育できればと思います。本当は我々がそうだったように、学生ががむしゃらに勉強して、自分自身で気づいていってくれるのが一番いいのだろうと思います。
鈴木章史
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