フルタイムでの収穫

 アスレティックトレーナーとしてフルタイムの現場をサポートすると色々な経験をします。私はチームにおいては当然治療も行ないますが、ケガをして別メニューになった選手のトレーニングをするというのも大切な仕事でした。

 このいわゆるアスリハという領域においてフルタイムの活動では多くの収穫があります。その中でも受傷直後から復帰後まで毎日選手を見ることができるというのは正にプライスレスな経験だと思います。

 施設内で選手を見ていれば週に2回といったトレーニングになりますが、フルタイムでは毎日トレーニングしなければいけませんので、様々なトレーニングファクターを整理してトレーニング計画を練っていきます。そして何をやったらどうなったという反応を自分で確認し、どのような経過をたどうるかという経時的な部分も自分の中に刷り込まれていきます。

 そういった蓄積が多くなるとトレーニング計画は一層立てやすくなり精度が増していきます。練習に合流し始めるタイミング、そこから練習を重ねていく段階で起こりうる不調、そして実際に試合に出せるタイミングといった真の意味での競技復帰の見極めなど、施設内では経験し得ない事です。

 日本ではアスレティックトレーナーがフルタイムで活動する場所が少なく、こういった経験がなかなか積めないのが現状ですが、我々の地道な活動で未来が変わり、結果スポーツ選手・愛好家を取り巻く環境が整っていけばいいと思います。

 今おかれている環境でも、捉え方次第で色々な事が経験できます。これからも様々なプライスレスな経験が出来るよう生活していきたいと思います。