トレーナー志望

 先日アスレティックトレーナーになって将来的にはJリーグで活動したいという大学生と話をする機会がありました。約90分にわたり個別に話をしましたが、自分自身にとってもいい刺激になったと思います。思いを起こせば私も大学4年生の時はJリーグのトレーナーという考えを持っていました。その後実際にJリーグで仕事をすることになるのですが、そこに至るまでの間に色々な考えの変化がありました。
 学生からの質問の中で「トレーナーをやっていく上で一番大事なことは何ですか?」というものがありました。様々なスキルは当然大切ですが、それ以上に人間性が大切だと思います。どんなに優れたスキルを持っていても人間性が乏しければ信頼関係は築けません。毎日同じ人を診ていく環境に戻ってきてから、やはり人間性が大切だと再認識しています。私はいわゆるゴッドハンドは残念ながら持ち合わせておりません。それでも頼ってきてくれる選手はおりますし、その理由は一人一人としっかり向き合うことではないかと思っています。個別にではなく、どの人に対しても…というのが大切なことなのではないかと思っています。
 勉学により知識を得ていくと、目先の小難しい理論やテクニックに執着しやすくなってしまう傾向があると思います。そして知らないうちに最も大切なものを見失ってしまう…。今回の学生と話す機会があったことで、自分自身がそうならないよう思い直す機会が得られたと思います。これからも色々な人と対話をして学んでいきたいと思います。