あれから10年・・・

先日M's AT projectの運営するDOCTOR'S FITNESSに箕山クリニックよりAthletic rehabilitationで私の同年代のノンプロのサッカー選手が来ました。M's AT projectの小川トレーナー(駒沢大学サッカー部トレーナー)が担当する事となり本日が初回でした。同年代という事もあったり私が以前プレーした環境とも重なり、何とも言えない気持ちになりました。

 私は中学時代の仲間が高校への進学を選択するなか、両親に幼少期よりの夢であったブラジルへサッカー留学をさせてもらいました。私の両親は普通の親ですから勿論大反対でした。
3年間で延べ6チームを渡り帰国後2年間国内でアマチュア選手としてプレーしました。
 当時の私にはサッカーしかありませんでしたし、何とかサッカーで生けてはいけないかと微かな希望を頂いていました。チームメイトには会社員として工場勤務をしたりしながらプレーをしている選手もいて、年齢も上は30歳から下は19歳でした。私は夕方まで仕事をして、その後に練習をしていました。当時よく先輩から『アマチュア選手は25歳以降はキツイよ』といわれ、確かにプロと違い生活をスポーツの為に使える時間が限られていていますし、精神的な部分でも社会人としての自分と、スポーツ選手としての自分との狭間で厳しいのではなかろうかと感じていました。
 そんな中でもサッカーで、サッカーに携わって生きていきたいと、ない才能に気付きながら願っていましたが、しかしサッカーに対する自信のなさに加え将来への不安などもあり日々悩んでいました。今でも覚えていますが、ある朝突然『サッカーを辞めよう、もうサッカーをしたくない』と思いました。4歳でサッカーを初めて以来初めての感覚でした。それから2年間はサッカーの”サ”の字すらない生活で周りの仲間から遅れた学力を必死で取り戻しました。
 今現在当時のチームメイト、ブラジル時代のサッカー仲間は様々です。サッカー選手を続けているもの、指導者の道を歩んだもの、Jリーグの球団で仕事をしているもの、私同様新たな道を選んだものも多くいます。がしかし今言えるのは私にはサッカーがあったから、サッカーを通じ多くの仲間に出会い、夢を抱き努力する事の厳しさと大切さを学びました。
 また諦める事なくどんな環境、立場であっても現役選手として頑張っている選手に尊敬の念と羨ましさを感じます。折れる事なく続けた人間だけが味わえるサッカー感、スポーツ感がそこにはあるのだろうといつも思います。
 10年前からは想像もつかない立場で仕事をさせて頂いてますが、やはり私の原動力は当時のサッカーで生きていこうと思っていた時代の仲間や経験、気持ちなのではと常に思います。こんないい加減な自分でも現在の仕事や立場に息苦しさや辛さを少しは感じるときがあります(笑)いつもそんな時サッカー選手を夢見ていた当時の気持ちを思い出します。私はとても単純なので、それでいつもとても救われた気持ちになります。当時よく聞いた○渕剛や浜○省吾を聞くと心の底から何か湧いてきます。そんな時いつもなんて単純で扱いやすい人間なのだろう自分はと思います(笑)

 あれから10年が経ちますが、本質はもしかしたら何も変わっていないのかもしれませんし、変わらない気持ちは持ち続けたいと今日改めて思いました。