サッカーを見る目、選手を見る目

 私もいつの間にかトレーナーとして中堅の年代に入りました。Jリーグと関わり始めてから13年が経とうとしています。Jリーグに関わり始めた年はフランスワールドカップの年でした。当時私が出入りしていた名古屋グランパスにはピクシーが所属しており、普段目の前にいる選手がテレビの向こうでプレーしていました。

 今考えると、トレーナーとしてスタートした場所にそういった世界的なスター選手がいた事は幸運だったかもしれません。当時の私は年俸ゼロのアシスタントトレーナーで、責任のある仕事は何もさせてもらえず(やっても良いと言われても実力的に出来ませんでしたが…)、選手の体重管理とサテライトの練習でプレーすることが自分の役割でした。

 そんな状況下でもトレーナーとしての自覚を持つよう指摘をしてくれた恩師には本当に感謝しています。日本代表の選手やピクシーに対しても毎日の体重測定を厳しく要求しました。チームスタッフとして仕事をする以上、サッカーは好きでもミーハーではスタッフとしての仕事はできません。名古屋でのシーズンははそういったトレーナーとしてのベースを勉強できたと思っています。

 しかし4年に一度のワールドカップにも熱狂できないのは、さすがにちょっとさびしいですね…。