専門種目

 アスレティックトレーナーにも専門種目があります。私が試験を受けたときも、実技試験の前に専門種目を申告しました。アスレティックトレーナーの職につく人は、ほぼ自分自身が競技としてスポーツを経験しています。ですから自分がやっていた競技を専門種目とする人が多いのではないでしょうか。
 ちなみに私が「専門種目は?」と問われたら“サッカー”と答えるでしょう。サッカーを例に考えてみると、“アスレティックトレーナーになりたくて、最終的にサッカーに関わる事が多くなった”というパターンと、“サッカーに関われる仕事を探して、その中からアスレティックトレーナーを選択した”という2つのパターンがあると思います。上記のような2人が仮に同じフィールドで仕事をしていたとしても価値観は違います。前者は“アスレティックトレーナーである事”が最も大事であるのに対し、後者では“サッカーに関わる事”が最も大事な事になります。もちろん価値観は変わっていくものですから、スタートが後者で後に前者の価値観になる事もあると思います。
 世の中にはスポーツに関わる仕事がたくさんあります。サッカーはもちろん大好きですが、自分にとってはアスレティックトレーナーである事の方が重要だと思います。専門種目でない競技に関わる事になっても、アスレティックトレーナーとして仕事ができることの方が大切だと思います。アスレティックトレーナーはまだ歴史の浅い仕事です。そういったまだ職域の確立されていない仕事だからこそ、「専門種目」よりも「専門職」という選択ができるよう、自分と向き合っていければいいと思います。