現場で求められる意見

 先日箕山ドクターとも親交の深いドクターのブログを拝見していたところ、普段私が感じていることと同じような事が書かれていました。スポーツの現場ではスタッフや選手からメディカルスタッフに対して意見を求められます。最も多いのは怪我をした時に『どのくらいの期間で復帰できるか』といったものでしょうか。あるいは『怪我明けの選手、怪我持ちの選手が何分くらいプレー可能か』といった感じです。医学に関わる人ならば『そんな事は正確にはわからない』というのが本音でしょう。実際にそういった事に正確な解答をする教育はなされていませんし、そういった基準も確立していません。教科書や文献で得られる情報を元に実際に選手を毎日観察し、どんな刺激をしたらどうなったのかを自分の中に蓄積していく作業の繰り返しで、自分なりの基準というものが出来ていくように思います。ですから今までの自分なりの基準が誤っていたと感じた時には基準が変わる事もあります。
 我々の学生時代は情報とは自分で探すもので、よく分からないけどやってみて、その結果を見て考察をするという事をひたすら繰り返した気がします。恩師にも失敗できるうちに失敗をしておけと言われていたのをよく覚えています。今の時代、情報が与えられすぎているものこういった自分なりの基準を作っていくという点ではマイナスの面もあるのかもしれません。チームやドクターによっても見解はまったく同じではありません。チームが同じ見解を持って活動を出来るようにしておくことが大切ではないかと思います。当然経験だけではお話になりません。知識と経験のバランスが取れている事がこれから先のキーポイントではないかと思います。