トレーナーとトレーニング
トレーナーという職業を目指す若者が増え、学校でのカリキュラムも充実するようになりました。しかし基本的には詰め込み教育です。大半の時間は座学に当てられ、実技の授業ではやり方を学ぶ程度です。トレーニングのやり方は教わっても自分でトレーニングはしていないという人も多いと思います。スポーツクラブという職場では、ひ弱で健康的でない人から健康やトレーニングについて話をされても説得力がありません。スポーツ選手も、スポーツをやったことが無いような人にとやかく言われたくないという心情があるでしょう。
我々指導をするスタッフは研究者とは違いますので、自分の仕事をうまく進めるためにも自分自身のトレーニングを進めることが必要だと思います。私が仕事を始めたときには、新入社員は仕事の1時間前に集合して強制的にトレーニングをさせられたものです。朝トレーニングできない時は深夜にトレーニングしていました。最初はやらされていたかもしれませんが、そのうちそれが毎日のライフワークとなり、自分が立てたトレーニング計画と身体の適応のギャップを体感し、またどれくらいの負荷をかければどういう反応が起こるかを体感して、より深いトレーニング計画を立てられるようになっていったと思います。かつてトレーニングの指導法について研修をしている際に、こんなことを言った後輩がいました。『僕は足首が硬いからスクワットうまくできないんですよ』。トレーニングを指導する際は、基本的に経験の無い人達に指導をしていきます。そういった人達にはデモンストレーションをして視覚から働きかけることも大事でしょうし、どうやったらうまく出来るようになるかを試行錯誤して指導していかなければいけません。自分自身のフォームを修正できなければ、他人のフォームを修正することも出来ないのではないかと思います。
スポーツクラブではなくスポーツの現場でもトレーナーはトレーニングが必要だと思います。個人競技ではない種目の選手は孤独を嫌う傾向がありますし、苦しいトレーニングでは妥協させないためにも一緒にトレーニングすることも必要でしょう。何かしらのデータを採取する時には、自らペースメーカーを務めることもあるでしょう。専門スキルを織り交ぜたトレーニングの時にはトレーニングの相手をすることも必要だと思います。ちょうど1年前の今日、私は別メニューの選手とのトレーニング中に、左足関節の内果と外果を完全骨折しました。その怪我からいくつかのことを学びました。確かにトレーニングは必要であるが、そこで怪我をしては職場全体に多大な迷惑をかけること、自分自身で怪我をしないためのトレーニングが十分にできていなかったこと、疲労の蓄積により身体反応が遅れて怪我につながることがある、などを痛感しました。トレーナーがトレーニングをしなければいけない理由はたくさんあります。我々もそれを再認識し、日々の自分自身のトレーニングに取り組みたいと思います。
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